━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━H19.07.03
亀┃田┃会┃計┃事┃務┃所┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛
■■■■■お役立ちニュースExpress■■■■■
Vol.48━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
============================================================
◆Today's Contents
→1◇税務ニュース
→2◇Today's Column
→3◇■■■■税理士事務所Report
============================================================
◇税務ニュース━━━━━━━━━━・・・・・・
<所得税の定率減税廃止の年に制度創設者が逝った>
個人事業者やサラリーマンたちが6月に市町村から送ら
れてきた住民税の課税通知書や給料明細を見て、度肝
を抜かしています。
政府や各自治体では、「税源移譲により所得税が少な
くなった分、それが住民税に移行しただけだから、増
税ではない」と火消しに躍起になっていますが、どう
も税源移譲はそのような単純な話ではないようです。
実際に昨年1年間に支払った所得税と住民税の合計額と
今年の両税の合計額はイコールではありません。なぜ
ならば、所得税の定率減税が廃止されたのです。所得
税20%、住民税15%の税額控除を認めていた同制度が、
昨年は2分の1に控除率が減額され、今年とうとう廃止
されたのです。
なんと、この所得税の定率減税を恒久的減税として導
入したのが、このほど永眠された宮澤喜一氏です。首
相経験者でしたが、小渕・森両内閣を通じて経済危機
へ大蔵大臣(森内閣では財務大臣)として乗り出し、
巨額の所得税の恒久的減税を行う一方で、その財源と
して大量の赤字国債を発行し続け、財政赤字の積み増
しをしてしまいました。しかし、その政策により金融
危機を脱し、景気回復も軌道に乗せたのは大きな功績
です。不況時に乗数効果によるGDPの拡大や失業率
の低下を図るために、道路や公共施設などの公共事業
を増加させたり、減税によって消費や設備投資の刺激
を図るというのは常道ですが、それを極端に行う積極
財政を主導したため「平成の高橋是清」と呼ばれるよ
うになりました。所得税の定率減税が廃止された年に、
くしくも帰らぬ人となった宮澤喜一氏。経済の荒波を
乗り越えていける名船長を、失った痛手は大きいかも
しれません。
============================================================
◇Today's Column━━━━━━━━━━・・・・・・
<<公的年金制度(28)>>
● 遺族年金は一人身の30歳未満の妻に厳しい
本年4月より、「厚生年金」、「共済年金」の離婚に
よる年金分割制度がスタートしました。4月の離婚組
数は、昨年比6,1%増(1340組)の約22千組でし
た。やはり離婚による「年金分割」実施を睨んで、こ
のタイミングまで離婚を手控えていたとみられる数値
結果となりました。
さて社保庁の不祥事で、連載が途中になっていました、
夫が亡くなった場合の「遺族厚生年金」の受給につい
ての変更点を、「公的年金制度23」に引き続いて2点
に渡り整理して参りたいと思います。
1点目は、18歳未満の子がいない30歳未満の妻の
場合、従来は遺族厚生年金は終身に渡って受給できま
したが、本年4月より遺族厚生年金の受給権取得時に
妻が30歳未満のケースでは、受給期間が5年間に限
られる有期年金となったことです。18歳未満の子と
は、18歳到達後の3月31日までの未婚の子です。
障害を持つ子の場合は、20歳到達まで未婚の子とな
ります。
見直しの趣旨は、厳しい年金財政事情によることと、
若年で育児の必要がない妻は、就労をしながらの生活
の建て直しによって自立が可能であるとの判断からで
す。2点目につきましては次回触れてまいります。
========================================================